還史– category –
歴史は、功績の陰に置かれた者、わずかな記録だけを残して忘れられた者、悪人として名を刻まれた者の人生を書き留めない。
「還史」とは、そうした人々を主人公に据え、史料と伝承を手がかりに、失われた人生を物語として立ち上げ直す営みである。
美化でも、史実の書き換えでもない。一人の人生から歴史に問いを起こし、物語のなかでその人を生かし、歴史へ還す。
それが、藤代顕向の描く「還史」である。
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還史
門の内側―松平広忠
戦国時代、天文4年(1535年)から天文18年(1549年)まで。三河国岡崎城を舞台に、のちの徳川家康の父・松平広忠(まつだいらひろただ)の生涯を描く物語です。 -
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風下の冬
平安時代の終わり、治承4年(1180年)の冬。京の六波羅の屋敷を舞台に、奈良へ兵を送るかどうかを決めかねる平清盛(たいらのきよもり)と、その兵を率いる息子・重衡(しげひら)の物語です。 -
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四分―道登
飛鳥時代、大化2年(646年)。京都・宇治川に橋を架けた僧・道登(どうとう)と、橋づくりに加わった人々の物語です。 -
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星を渡す―観勒
飛鳥時代、推古天皇10年(602年)から推古32年(624年)まで。百済の僧・観勒(かんろく)が暦や天文の書物を携えて倭に渡り、若い書生たちを育てた二十二年の物語です。 -
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火の蓮―麻奈文奴
飛鳥時代、崇峻天皇元年(588年)から数年。日本最初の本格的な寺院・飛鳥寺の造営現場を舞台に、百済から海を渡った瓦職人・麻奈文奴(まなもんぬ)と、飛鳥の若い工人・真手(まて)の物語です。 -
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塔の頂―白昧淳
飛鳥時代、590年代。完成間近の飛鳥寺の塔を舞台に、百済から来た金属工芸の技術者・白昧淳(はくまいじゅん)と、倭人(わじん)の父と渡来人の母を持つ若い工人・阿古(あこ)の物語です。 -
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秋天の文―旻
飛鳥時代、推古天皇16年(608年)から白雉4年(653年)まで。遣隋使とともに海を渡り、のちに新政権の顧問となった学問僧・旻(みん)の物語です。 -
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楯の都―大伴吹負
飛鳥時代、天武天皇元年(672年)の壬申の乱。わずかな手勢で飛鳥を押さえ、大和の戦いを率いた大伴吹負(おおとものふけい)の物語です。 -
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草木の脈―飯沼慾斎
江戸時代後期、美濃国大垣(現・岐阜県大垣市)。町医者から植物学者となり、日本で初めて西洋の分類法による植物図鑑を著した飯沼慾斎(いいぬまよくさい)の生涯を描く物語です。 -
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亡びるのは、先だ―朴市秦造田来津
飛鳥時代、大化元年(645年)から天智天皇2年(663年)まで。近江の渡来系氏族の武人・朴市秦造田来津(えちのはたのみやつこたくつ)と、白村江(はくすきのえ)の戦いの物語です。 -
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誰を恃まん―境部摩理勢
飛鳥時代、推古天皇20年(612年)から推古天皇が亡くなった628年まで。蘇我馬子(そがのうまこ)の弟・境部摩理勢(さかいべのまりせ)と、その子・阿椰(あや)の物語です。 -
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稲渕―南淵請安
飛鳥時代、推古天皇16年(608年)から乙巳の変(645年)まで。遣隋使とともに海を渡った学問僧・南淵請安(みなぶちのしょうあん)と、彼のもとに通った中大兄皇子(なかのおおえのおうじ)・中臣鎌足(なかとみのかまたり)の物語です。
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