残響の問い– category –
『残響の問いとは』
人の迷いや葛藤、正しさをめぐる争いは、時代が変わっても繰り返される。
物語は、一つの人生から生まれた問いを、今を生きる私たちへ返す。けれど、答えは置かない。
物語が終わっても、問いは残響のように胸に留まり、自分の生き方や社会を見つめ直すきっかけとなる。
過去の声を、過去だけのものにしない。それが、藤代顕向の描く「残響の問い」である。
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残響の問い
鐘の底
山のふもとの古い寺を舞台に、経を読む声のよく通る若い僧・円秀(えんしゅう)が、一人の老女についた小さな嘘をめぐる物語です。 -
残響の問い
ようやく来たか
昭和15年(1940年)から現代まで。京都の山あいにある貴船神社を舞台に、結婚したばかりの夫婦がお礼参りに訪れた秋の日から、一人の女性が初めてその社を訪れる日までを描く物語です。 -
残響の問い
大丈夫です
現代の都会。頼まれごとを断れず、何を言われても「大丈夫です」と答えてしまう若い会社員・悠太(ゆうた)の、金曜日の夜から始まる数日を描く物語です。 -
残響の問い
住所録の底
現代の岐阜県大垣。横山ダムに沈んだ村・鬼姫生の出身だった祖母が遺した住所録から、市内のアパートで一人暮らしをする直子が、祖母のそばにいたらしい一人の女性の跡をたどる物語です。 -
残響の問い
推定
現代の、山あいの小さな町。地方紙を辞めて実家へ戻り、母の介護を続ける女性が、町史の校閲を頼まれ、公民館の書庫で、山へ入ったまま戻らなかった女たちの古い記録を読んでいく物語です。 -
残響の問い
赤いひと
現代の大阪。七年暮らした恋人に去られた志乃が、仕事の届け物で梅田から夕陽丘(を訪れ、愛染坂を上った一日を描く物語です。 -
残響の問い
名のない札
江戸時代中期、享保20年(1735年)の冬から翌春。新しい堂の普請(ふしん)が続く京都・清水寺を舞台に、父の彫った読めない文字の版木(はんぎ)を届けに来た娘・お澪(おみお)が、普請場の付け火の疑いを掛けられ、旅の女・佐和(さわ)とともに真相を追う物語です。 -
残響の問い
産屋の灯
江戸時代後期、天保7年(1836年)の大飢饉の夏。備中・吉備の中山のふもとの村(現・岡山市)を舞台に、十二年ぶりに故郷へ戻った産婆・美緒(みお)が、消えた少年と、二十年前に消えた妹の行方を追う物語です。 -
残響の問い
返らぬ声を返す
現代の奈良。四十年前、大学の下宿で隣り合った友・和田の民俗調査を盗用した「私」が、脳梗塞で言葉を失った和田を、広陵町の老人ホームに訪ねる物語です。 -
残響の問い
半ば
前の年の夏に父を川で亡くした十三歳のお千代と、母おふみの十三参りの物語です。「振り返らぬ子」と対をなす一篇(いっぺん)です。 -
残響の問い
振り返らぬ子
京都・嵐山の法輪寺へ十三参りに出かけた、母おきぬと十三歳の息子・新吉(しんきち)の物語です。 -
残響の問い
水に書く―紅葉
平安時代の中ごろ、信濃国戸隠(現在は長野市)の山里。山に棲む「鬼」の女を討つための官符(かんぷ)を書くよう命じられた、都の書き役「私」の手記です。全四部の長編です。
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