還史– category –
歴史は、功績の陰に置かれた者、わずかな記録だけを残して忘れられた者、悪人として名を刻まれた者の人生を書き留めない。
「還史」とは、そうした人々を主人公に据え、史料と伝承を手がかりに、失われた人生を物語として立ち上げ直す営みである。
美化でも、史実の書き換えでもない。一人の人生から歴史に問いを起こし、物語のなかでその人を生かし、歴史へ還す。
それが、藤代顕向の描く「還史」である。
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還史
焼け残った名―船史恵尺
飛鳥時代、推古天皇28年(620年)から乙巳の変(645年)、そして『日本書紀』が完成する養老4年(720年)まで。国の最初の歴史書づくりに携わった記録係、船史恵尺(ふねのふひとえさか)の物語です。 -
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常世の浪―天照大御神鎮座の旅
『日本書紀』で垂仁天皇(すいにんてんのう)の時代とされる、伝承の時代。天照大御神(あまてらすおおみかみ)の御鏡(みかがみ)を抱き、鎮まる地を求めて諸国を巡った皇女・倭姫命(やまとひめのみこと)の旅を、伊勢の神宮が生まれるまで描く物語です。 -
還史
水を運ぶ者
鎌倉時代の終わりから南北朝時代。播磨国佐用荘(現・兵庫県佐用町(さようちょう))の武士・赤松則村(あかまつのりむら)(のちの円心)が、五十七歳で挙兵してから七十四歳で亡くなるまでの物語です。 -
還史
祈りの残らぬ者
戦国時代の終わり、天正年間。明智光秀の丹波攻めで落ちた丹波国余部城(あまるべじょう)(現・京都府亀岡市)を舞台に、逃がす民の名を帳面に書き留めた家臣・山名兵庫(やまなひょうご)の籠城を、後の世に寺の裏山から出た刀と帳面を通して描く物語です。 -
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憲仁
平安時代の終わり。後白河上皇(ごしらかわじょうこう)と平滋子(たいらのしげこ)のあいだに生まれ、八歳で即位した高倉天皇・名は憲仁(のりひと)の、二十一年の生涯を描く物語です。 -
還史
帰れぬ坂本
安土桃山時代、天正10年(1582年)。本能寺の変を起こした明智光秀の、最後の半年の物語です。
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