半ば

目次

①時代と舞台

時代は特定されていません。前の年の夏に父を川で亡くした十三歳のお千代と、母おふみの十三参り(じゅうさんまいり)の物語です。「振り返らぬ子」と対をなす一篇(いっぺん)です。

②歴史の手がかり

  • 十三参りと渡月橋 数え年十三歳の子どもが嵐山の法輪寺で虚空蔵菩薩に知恵を授かる行事です。帰りに渡月橋を渡り切るまで振り返ると、授かった知恵を返してしまうと言われています。
  • 桂川と材木 嵐山の下を流れる桂川(大堰川)は、古くから丹波の山で伐った材木を筏に組んで京へ運ぶ川でした。
  • 月命日 故人が亡くなった日と同じ日付にあたる、毎月の供養の日です。

③あらすじ

前の年の夏、材木を運ぶ仕事をしていた父は、桂川へ落ちたまま見つからなかった。
墓の下には何もない。
十三になったお千代は、笑わなくなった母と法輪寺へ参る。
「振り返ったらあかんえ」「知ってる」。
渡月橋の半ばで、後ろから「千代」と呼ぶ声がする。
熱を出した夜、額に手を置きながら呼んでくれた、あの声だった。
母は前を向いたまま、泣いていた。


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